イントロダクション
ご質問


エクストリームと言います。今仕事を探しているんですけれど、いろいろあって人の目が気になるようになったり、人間関係が怖くなって社会人としての自信をなくしてしまったんです。とはいえ、生活のことを思えばずっと家にいるわけにもいかなくて。

おやおや……今後が大変ですね。

でもそんな社会生活とはうらはらに、趣味でやっている方の活動は順調でして、実力もしっかりついてきました。それならば、いっそのこと趣味を仕事をするって選択肢もあるのかなって思ったんです。もちろん簡単でないことはわかってるんですけれどね。

なるほど。新たな可能性を見出したと。

今後はやっぱり社会人としてちゃんと仕事を探すべきなのか、それとも趣味を仕事にしていくべきか、迷ったり怖くなったりしてるうちにだんだんわからなくなってしまったので、今回相談をさせてもらいました。
- 社会人として自信喪失。ひと目が気になる、人間関係が怖い、など。
- 趣味は順調、そちらを仕事にする道も考えた。当然簡単でないことは自覚あり。
- 社会と趣味、どちらの方向へ進んでいけばいよいのか。

状況はわかりました。それなら今回は、社会と趣味の2つを比較して占ってみましょう。
カードの配置と解釈

今回のスプレッド
変形ヘキサグラム:ヘキサグラムとは「六芒星」のことです。このスプレッドは2つのものを比較して占うことを得意とします。通常は7枚で占うのですが、もう少し深く読むために枚数を増やした変形スプレッドにしました。
※クリックで拡大します。

全体的な印象
決定的な暗示は出ていないけれど、小アルカナのエースが多く(②ソードA逆、⑧カップA、⑪ペンタA)、要所ですごく端的に刺さるメッセージをズバッと出してきている印象を受けました。
①過去・②現在・③未来
かつては真面目に手堅く生きようとしていた(①ペンタK)けれど、立ちはだかる困難を乗り越える事ができず(②ソードA逆)生活基盤が保てず苦労する(③ペンタ2逆)という流れが出てきました。出だしからなかなかに厳しい。
しかしこれをエクストリームさんに伝えたところ、このはじめの3枚だけでも「今の生活そのまんまだ……どうしてわかるの……」と戦慄してました。これがタロットカードのおそろしくもすごいところですね。話を聞いたからではなく、「質問者自身で選んだ山から」「そういうカードがちゃんと出てくる」ところがすごいです。
⑥⑦⑧SIDE-A:社会側の状況と想い
とはいえ、占いの目的とは的中させることではなく、悩みを解決に導くことです。そんなわけで次はこわいこわいってなっている社会の側がどんな状況で、エクストリームさんに対してどういう姿勢なのかを、④と⑤を飛ばして⑥から見ていきます。
⑥ペンタPは今回であれば生活面・仕事面において良い知らせを運んできてくれます。⑦節制は淀みなく安定した快適な環境を用意し、そして⑧カップAは質問者を優しく迎えてくれます。エクストリームさんにとっては恐るべき社会ではあるものの、社会の方からはいつでもカモンと言わんばかりに、準備をして待ってくれているようでした。
もちろん、楽かどうかはまた別の話です。失われた自信を取り戻し、再び社会の中で過ごしていけるのか。それはかつて乗り越えられなかった②ソードAの試練を次こそ乗り越えられるかどうかが鍵となってくるのでしょう。
⑨⑩⑪SIDE-B:趣味側の状況と想い
今度はノリにノってる趣味側のお話です。⑨ペンタ9のセレブカードでは勝算を見込んだかのような余裕ある姿勢が見えます。そしてそれを推し進めていくだけの情熱を裏付けする⑩ワンドKも出ています。実にいいですね。とてもよい追い風が吹いているように見えますし、実際とても満足できる結果にもつながるでしょう。心理的には。
しかし同時に、次の⑪ペンタA逆が現実面(転じて収入面)においてはそんなに期待するなという暗示も出してきています。あっちを立てればこっちが立たずとはよく言ったものです。ロマンじゃおなかはふくれないけれど、それでもなお続けていく勇気と熱意があるのか。とっても重たーい選択肢を提示してきているように思われました。
④⑤傾向と対策・⑫総合結果
さて、先程飛ばした④と⑤、そして最後の一枚を見ていきます。
傾向と対策で見えてきたのは、がんじがらめで身動きが取れなくなっている(⑤ソード8)ところから、虎視眈々とチャンスを狙っている図(④運命の輪)でした。狙いを定めてここぞというところで攻めた方が良さそうです。なんせ社会側も趣味側も、それぞれに長所と短所を同じように有しているのですから。
そして総合結果に出てきたのは⑫カップQ逆。どっちでもいいれけど、ムキーってなった勢いだけで決めるのはおよしなさい、ろくなことになりませんよっていうたしなめアドバイスが出てきました。エクストリームさんがどこまでノリと勢いで失敗しちゃう性格なのかはわかりませんが、教訓としてはとっても腑に落ちるカードでした。
導き出したアドバイス
社会は待ってくれている。でも怖い。趣味は心を満たしてくれる。でも収入はきびしい。このどちらを選択するのかについて、今回のタロットからはあっちにしなさい、こっちにしなさいという具体的なアドバイスはありませんでした。
とはいえ、それじゃあ質問した意味はなかったのかと言われれば、それは断じて違います。エクストリームさんは相談前に、何が何だかわからなくなっちゃったから、わらをも掴む気持ちで月代相談室を訪ねてきたと言っていました。それに対してこちらから提供されたのは、今現在、選択するべき道がそれぞれどういう状態になっているのか。その指標となる情報でした。
自分の歩む道がどの方角に向かっているのかがわからなければ、下手に動き出すわけにもいきません。けれども地図を手にし、方角が明らかになったならば、そこを基準にして足を踏み出していける。実際、タロット相談が終わったあとのエクストリームさんは、気持ちがスッキリして頭の中が整理されたと言っていました。今回の相談に大いなる価値を感じていただけたようです。願わくば、悔いのない選択になるよう、祈るばかりです。

最後の決め手となるのは、自分自身がどう感じ、どう生きたいか。
積み上げてきた人生観、価値観が、あなたを後押しするだろう。
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